MacGruver 映画解説 R35指定

映画MacGruver「マックグルーバー」はR35指定と勝手にさせてもらいました。

どうしようもない映画「マックグルーバー」はあの有名な「冒険野郎マクガイバー」のパロディだと気がつける人のみ、見て楽しい映画でしょう。
ということで、マクガイバーをまともに見ていた人限定となりますので、35歳くらいの方がウケる、ギリな内容になっていますね。

マクガイバーを知らない世代で、この映画をみても、どうして銃を使わないのか、なんていう疑問とかが、ストレスになりそうなパロディなんです。一応、マクガイバーを説明させてもらうと、身近なものをなんでも武器にしてしまう冒険野郎のことで、凶悪犯にも銃火器なしの丸腰でも対等、いや大きく上回って戦い勝利を収めることのできるサバイバル達人、地上最強の男と言えばおわかりになるでしょうか。

マスターキートンという秀逸な漫画がありました。浦沢直樹、勝鹿北星、長崎尚志の傑作ですね。これは確実に「冒険野郎マクガイバー」のオマージュで、キートンもまた手身近なものを使って戦闘するシーンが魅力的な作品になっています。マクガイバー対マスターキートンが実現したらどうなるのかは、わかりません。マスターキートンはパイナップルアーミーも下地になっているわけですが、パイナップルアーミーもまた、マクガイバーなしでは表出しなかったキャラクターではないでしょうかね。
マクガイバーはとにかく最強の男として数えられていいでしょう。シュワルツネッガーのコマンドーやプレデター、スタローンのコブラやランボー、なにと比べても、おそらくマクガイバーが勝つでしょう。

マクグルーバーはそんなマクガイバーへの敬意を表した作品であるともいえるのですが、かけはなれて最悪の男に仕上がっています。
最強の仲間を集めた末に、自作のC4爆弾75キロで全員を失います。そして卑猥さ、愚弄の連発。これは紳士であり最強の戦士であるマクガイバーとの対比でなければ成り立たないものがあるわけです。

そこまでの敬意がありながらも、物足りなさが感じられたのは、マクガイバー特有のナレーションがなかったことでしょうか。マクガイバーは常に「私の祖父」と呼んでいるおじいちゃんがいて、おじいちゃんからあらゆる知識と生き延びる知恵をもらっていることを自慢げに語るナレーションが魅力さでもあるわけですが、どうしてかマクグルーバーには祖父が出てくるナレーションがなく、いまいち成りきれていない感が漂っています。

そっとウケるポイントは、ヴァルキルマー演じるカンツの名前にあって、カンツっていうのはおそらく”女性のアスコの複数系”を意識したものだとおもわれるところでしょうか。カントというのは英語圏では女性性器の具体的な表現で、女の人の前で言うと、かなり手厳しい反応が返ってくるような言葉です。注意しましょう。
※私はかつて哲学者のカントの話をマジメにしようとしたとき、何人かの女の子が笑って取り合ってくれなかったことがあったわけですが、私がマンコと連発していたのがおかしかったのでしょう。

まずはマクガイバーを見てから、この映画に渡来する、か、この映画を知ってしまったら、マクガイバーを一気に見直す、そして、マスターキートンを読み返す、というのが正しい付き合い方だと、私はおもっています。
とくに語る必要のない映画、っつうわけでもあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA